ドネキフ塾
初心者向けトップジャングルミッドADCサポート概念・戦術解説

【LoL】直す場所の決め方|自分の強みを起点に、課題を1つに絞る

読了目安 約8分 ・ 最終更新 2026年9月20日

この記事で学べること

LoLで何を練習すべきか決められない人へ。強さを6領域に分けて自分の位置を知り、弱い順ではなく「勝ち筋を壊す順」で穴を埋める。課題を1つに絞る4つの基準と、テーマを切り替える目安をコーチ歴9年のinvalsが解説。

監修: invals元プロチームコーチ

コーチング歴9年以上 プロチーム所属経験あり   ・ ドネキフ塾 コーチ

𝕏 (Twitter)

invalsさんに予約 →
📖 目次

まず結論

  1. 強さは「上手い・下手」の1軸ではなく、メカニクス・認知・判断・自己調整・コンディション・共有の6領域に分けて見る
  2. 強みは伸ばし、穴は「強みを壊すもの」だけ埋める。弱い順に全部潰すと、勝ち筋そのものが薄くなる
  3. 直すのは1つだけ。頻度が高く、損失が大きく、他のミスの上流にあり、今の自分で変えられるものを上から1つ取る

直す場所は強みを起点に1つ。強さを6領域に分ける、強みは伸ばし穴は強みを壊すものだけ埋める、直すのは1つだけ

同じランク帯でも、勝ち方の形は人によって違います。上位帯の選手の練習法をそのまま模倣しても機能しないことがあるのは、前提となる強みが違うからです。この記事では、強さを分解して自分の位置を把握し、そのうえで今週直す課題を1つに絞るところまでを扱います。

強さを1本の軸で考えない

強さを「上手い・下手」の1軸で捉えると、自分より上の相手が全員「上手い人」にまとめられ、何を練習すべきかが決まりません。実際には、強さは少なくとも次の6領域に分かれます。

強さの6領域。メカニクス・認知・判断・自己調整・コンディション・共有

  • メカニクス(実行): 意図した操作を、速く正確に実行する力。コンボ、ラストヒット、スキルの精度、カイティング
  • 認知: 判断に必要な情報を、必要なタイミングで取得する力。ミニマップ、相手のクールダウン、ウェーブの位置、オブジェクトの残り時間
  • 判断: 取得した情報から、その状況に合う選択肢を選ぶ力。押すか引くか、リコールするか残るか、どのサイドに寄るか
  • 自己調整(メンタル): プレッシャーや失敗の後でも、通常の判断手順に戻す力。感情の切り替えではなく、手順への復帰能力
  • コンディション: 睡眠、疲労、休憩。上の4つを安定して出すための土台
  • 共有: チームで役割と開始条件を揃える力。野良でも、意図を先に伝えるかどうかで結果が変わります

同じランク帯の2人でも、この6領域の配分はまったく違います。操作精度で押し切る選手、先に情報を取って先に動く選手、崩れないことで勝つ選手。どれも成立します。

なお、ここで言うメカニクスは、コミュニティで「フィジカル」と呼ばれるものと同義で、身体能力ではなく操作の実行精度を指します。睡眠や疲労はコンディションとして別に扱います。両者を混ぜると、コンボの失敗と寝不足が同じ箱に入り、診断として成立しません。

強みは伸ばし、穴は選んで埋める

弱点をすべて潰そうとすると、全領域が平均化し、勝ち筋そのものが薄くなります。基準は2つです。

  • 強みはそのまま伸ばす
  • 穴は、強みを壊すものだけ埋める

たとえば、レーン戦で先に有利を作って押し切る形が機能している選手にとって、序盤に不用意なデスを重ねる癖は強みを直接壊す穴です。ここは優先して埋めます。一方、終盤の集団戦での立ち回りがやや弱くても、その前に試合が決まっているなら優先度は下がります。埋める順番を決めるときは「弱い順」ではなく「勝ち筋を壊す順」で並べます。

チャンピオンの選択も同じです。自分の強みが出る形のチャンピオンを選びます。逆に、チャンピオンに合わせて自分の得意な戦い方を作り替えると、強みも新しい形も中途半端になります。

ただし、勝ち筋を壊す穴だけは、面倒でも埋めてください。強みで稼いだ分をそのまま返している状態は、外から見ると「波が激しい選手」に見えます。

能力、状態、流れを分ける

その日の出来は、能力だけで決まりません。最低でも3層に分けて考えます。

その日のミスを能力の問題と決めつけない。能力(数週間〜数か月)・状態(その日)・流れ(その試合)の3層

  • 能力: 数週間から数か月かけて変わるもの。知識、認知、判断、メカニクス
  • 状態: その日の出力を変えるもの。疲労、緊張、焦り、集中
  • 流れ: 状況依存の要因。マッチアップ、構成、試合展開、ロール

睡眠不足の日のミスを「自分にはこの能力がない」と記録すると、直す必要のない領域を何週間も練習することになります。条件の違う試合で同じ失敗が繰り返されるかどうかを確認してから、能力の問題として扱ってください。

同様に、「メンタルが弱い」という言葉も診断名にはなりません。焦って情報の取得範囲が狭まったのか、損失を取り返そうとしてリスクの高い行動に移ったのか、緊張で操作精度が落ちたのか。少なくともここまで分けないと、練習方法が決まりません。

直す場所は1つに絞る

リプレイを見れば、直したい点はいくらでも出てきます。しかし、試合中に意識して守れる行動は、現実には1つか2つです。3つ目以降は、意識したつもりになっているだけで、行動としては普段どおりに戻ります。

課題を並べ替える4つの基準。発生頻度・損失の大きさ・他のミスの上流か・今の自分で変えられるか。上から1つだけ取る

絞るのは我慢のためではなく、測定を成立させるためです。3つ同時に追うと、どのテーマが何回の機会に対して何回できたのかを数えられません。母数が崩れるので、改善の有無を判定できなくなります。

課題が複数見えているときは、次の順に並べ替えて、上から1つだけ取ります。

  1. 発生頻度が高いか: 1試合に1回しか起きない課題は、練習しても機会数が足りません
  2. 損失が大きいか: 頻度が同程度なら、試合展開への影響が大きい方から直します
  3. 他のミスの上流にあるか: 情報の取得漏れが原因で、判断ミスも操作ミスも起きている、という構造は頻繁にあります。上流から直す方が短時間で終わります
  4. 今の自分で変えられるか: 習得に数か月を要する課題は、今週のテーマには向きません

選ばなかった課題は、書き出して保留する

捨てるわけではありません。見つけた時点で一覧に書き、その試合ではもう考えない。これが重要です。頭の中に残しておくと、試合中に意識が引っ張られ、結局は複数を同時に追っている状態になります。

一覧は週に1回だけ見返して、上の4基準で並べ替えます。長くなってきたら、上位3つだけ残して他は消して構いません。本当に重要な課題であれば、また必ず出てきます。

なお、1つ直すと他の課題の見え方が変わります。リコールの判断が安定すると、オブジェクト前の集合の遅れが自然に減ることは珍しくありません。最初に全部の順番を決め切る必要はありません。

テーマを切り替える基準

  • 通常の試合条件で7割から8割に乗った: 次のテーマへ移す。完璧を待たない
  • 6割前後で止まっている: テーマは変えず、確認事項を1つ減らして継続する
  • 2割から3割しかできない: 課題が大きすぎる。行動をさらに細かく割る
  • 8〜9割が2週間続いている: すでに無意識で実行できている。条件を難しくするか次へ

テーマを切り替える基準。7〜8割で次へ、6割は確認事項を減らして継続、2〜3割は行動を細かく割る、8〜9割が2週間続いたら次へ

8割に乗れば習慣化は始まっているので、残りは別のテーマを練習している期間に固まっていきます。逆に、完璧を待って同じテーマを1か月続けると、伸びしろのある他の領域が手つかずのまま残ります。

割合の数え方と合格ラインの上げ方は、前の記事上達する練習のやり方に書きました。

よくある質問(FAQ)

Q. 自分の強みが分かりません。どう見つければいい?

勝った試合を3つ見返して、どこで差がついたかを6領域に当てはめます。先に有利を作っていたなら実行か判断、相手の動きを先に読んでいたなら認知、味方が崩れても自分は崩れなかったなら自己調整です。負けた試合より、勝った試合のほうが強みは見つけやすいです。

Q. 弱点が多すぎて、どれから直せばいいか分かりません。

「弱い順」ではなく「勝ち筋を壊す順」で並べます。自分の強みで稼いだ分を返している穴が最優先です。それでも決められないなら、発生頻度がいちばん高いものを取ってください。機会が多いほど、練習が早く回ります。

Q. 2つ同時に直すのは駄目?

やめたほうがいいです。試合中に意識して守れるのは1つか2つで、3つ目からは普段どおりに戻ります。それ以上に、2つ追うとどちらが何回中何回できたのか数えられなくなり、改善したかどうかが判定できません。

この記事は3本組の2本目です

  1. 上達する練習のやり方
  2. 直す場所の決め方(この記事)
  3. 負けた試合の見返し方

このレッスンの内容、自分のプレイでできていますか?

コーチがあなたのプレイを見て、次にやるべきことを教えます。

コーチングを受けてみる(¥500〜)→